刀水歴史全書26
モンタイユー(上) モンタイユー (上)(下)
ピレネーの村 1294〜1324

E.ル・ロワ・ラデュリ著/
井上幸治・渡邊昌美・波木居純一訳


(上)定価: 本体2800円+税  在庫あり
   1990年6月刊
   ISBN4-88708-086-7
   四六判 367頁



(下)定価: 本体3301円+税  在庫あり
   1991年10月刊
   ISBN978-4-88708-125-3
   四六判 425頁


モンタイユー(下)
異端審問文書から中世南仏の農村生活を人類学的手法で描き,1975年の発刊以来,社会史ブームをまきおこしたアナール派第3世代の代表作(発刊当時、フランスの新人文学賞=ゴンクール賞を受賞)。ピレネー山中寒村の50戸200人の村人の生活と心性,異端カタリ派の村への浸透が精細に描写される。西洋中世を肌で感じることの出来るこの傑作は小説よりおもしろい(1990〜91年刊)               ⇒刀水書房とアナール派の出会い
【主要目次】
モンタイユー (上) 
  序 章 異端審問から民俗誌へ
第1部 モンタイユーの生態学−家と羊飼い−
  第1章 環境と権力
  第2章 家ないし家族−ドムスとオスタル−
  第3章 クレルグ一族−支配者の家−
  第4章 貧しい羊飼い
  第5章 大規模移動放牧
  第6章 ピレネ―牧羊の民俗
  第7章 羊飼いの気質
第2部 モンタイユーの考古学−身振りから神話へ−
  第8章 身振りと性
  第9章 クレルグ家の愛欲
  第10章 かりそめの縁
  第11章 結婚と愛情の役割
  第12章 結婚と女性の立場
 〔付録〕モンタイユーのおもな家族一覧・系図

モンタイユー (下)
  第13章 子供の時代。人生の諸時期
  第14章 村で死ぬ
  第15章 文化交流と社会的結合の構造−書物と夜語り−
  第16章 社会結合の構造−女・男・若者−
  第17章 居酒屋、ミサ、党派
  第18章 思考の装置−時間と空間の観念−
  第19章 自然と運命の感覚
  第20章 呪術と救済
  第21章 ひたすら聖母に。ならびにその他の聖者
  第22章 宗教慣行の実態
  第23章 逸脱と善信者
  第24章 恥と罪
  第25章 貧困、喜捨、労働
  第26章 民俗と亡霊
  第27章 墓のかなた、冥界
  第28章 家と冥界
 史料、ならびに謝辞
〔付録〕 地図 サバルテス地方略図
丸谷才一著『月とメロン』(文藝春秋 2008年5月刊)79頁より引用

「日本のお寺もさうでせうが、教会関係には古文書がたくさん残ってるのね。学術研究の資料の山である。それで思ひ出すのは例のアナール学派の金字塔ともいふべきル・ロワ・ラデュリの『モンタイユー』(刀水書房)で、これは後に教皇ベネディクトゥス12世(在位1334-42)となったジャック・フルニエが、司教であったころ、アリエージュ上流地方のモンタイユーといふ村で農民にいろいろ訊問した記録(ラテン語稿本)にもとづくもの。村民の生活、とりわけ性生活があけすけに語られてゐてじつにおもしろい。よくもまあ、上手にしゃべらせたものだなあ、と舌を巻く。未読の方は早速お読みになってはいかがですか。ところが先年、このモンタイユーについての悪口を聞いたのですね。(…中略…)まあそのへんも一つ、御自分で鑑定して下さい。読みだしたらやめられない本ですから、大事なことの前夜は手に取らないほうがいいな。ちなみに、わたしはこれを読んではじめて、西洋中世にぢかに触れたやうな気がした。」
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