単行本 
東京商人の生活と文化 東京商人の生活と文化
宮内家三代の一五〇年

郡司美枝著


定価: 本体1800円+税
2016年4月刊
ISBN978-4-88708-426-1
四六判 376頁

在庫あり
維新後に西洋小間物商を起業した初代から、日本の近代化・「戦争の時代」・戦後へ続く自家三代の商人の実体験を、三代目の次女が近代史家の眼で描ききる

「宮内家は、筆者である私の実家である。私は二一歳になるまで、今はさいたま市大宮区となった埼玉県の大宮駅近くで暮らしてきた。家の庭には、「宮内氏像」と題された荻原碌山(守衛)作の銅像があった。それが宮内家初代の良助という人であり、父の良雄は三代目で、初代の親は植草治左衛門という名前で、本籍は日本橋区横山町三番地一〇にあり、帽子屋をやっていて、大宮の家には「疎開」で引っ越してきた、と子供のころから聞かされてきた。…」。「商人は沈んだ時の我慢が勝負!」と、時代の波を泳ぎ切った商人たち……「ある日、店にいる父から、今日は新車で帰るという電話が入った。父の乗って帰ってきた車を見た時、私は唖然とした。エメラルドグリーンの美しい色をした「エルドラド」という名前の付いたバカでかいキャデラックだったのだ。……私は、商人は苦しい時を如何に堪えて乗り越えられるかが勝敗を決することを、体験をもって思い知った」(プロローグから)
【主要目次】
プロローグ―商人は沈んだ時の我慢が勝負
第一章 初代良助・日本橋横山町の時代―西洋小間物商植草屋の創業
   1 宮内家の創設/2 西洋小間物問屋の開業/3 帽子業への進出/ 
       4 荻原碌山の《宮内氏像》
第二章 二代治良・浅草橋の時代―子供帽子商から布地才取へ
   1 治良の修業/2 浅草左衛門町への転居/3 昭和の時代と治良の商売/
   4 浅草橋の日々
第三章 三代良雄・さいたまの時代―二度栗山興業株式会社の創設
   1 大宮駅前への疎開/2 二足の草鞋を履く/3 二度栗山温泉の営業/
   4 大宮駅西口開発と宮内ビル
エピローグ―時代の波を泳ぎ切った商人たち
【著者紹介】
郡司美枝(ぐんし みえ)
1958年、埼玉県さいたま市生まれ。博士(文学,日本大学),現在札幌在住,酪農学園大学非常勤講師
著書:『理想の村を求めて―地方改良の世界』同成社,2002年,『興農富村の研究―近代日本の稲作をめぐる農民の営み』刀水書房,2011年
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