単行本 
欧化と国粋 欧化と国粋
[比較文明学叢書4]
日露の「文明開化」とドストエフスキー

高橋誠一郎著


定価 :本体2400円+税
2002年1月刊
ISBN4-88708-287-8
四六判 252頁

在庫あり
ヨーロッパにおくれて近代化を追ったロシアと日本の欧化と国粋の対立を,ドストエフスキーと諭吉・兆民・漱石・司馬らとの対比においてとらえ,近代化150年の差,宗教の差を底辺に,欧化と国粋の対立解消を考える
【主要目次】
序 章 2つの文明観−福沢諭吉の文明観とドストエフスキー−
 ロンドンー1862年/ピョートル大帝の改革と日本の近代化/「欧化と国粋」の
 対立とドストエフスキー/「文明開化」と「グローバリゼーション」
第1章 日本の開国とクリミア戦争―「欧化と国粋」の視点から
 ロシアからの黒船(1853年)/ロシアの視点からの鎖国考/ロシアからの
 使節団(1792年と1804年)/クリミア戦争とバックルの『イギリス文明史』/
 クリミア戦争の展開と日本の条約交渉/「欧化と国粋」の対立−近代化の
 苦悩(ロシア)/「排外と排外」の心理−言語教育と歴史認識
第2章 「大改革」の時代と「大地主義」―雑誌『時代』と世代間の対立
 ロシアの「大改革」と明治維新−ロシアと日本の司法改革/司法改革の歩み
 とペトラシェーフスキイ事件/「60年代知識人」の登場−「余計者」の批判/
 雑誌『時代』の創刊と大地主義の理念/『虐げられた人々』−「都市」の秘密と
 「農村」の混乱/「父と子」の対立と「領主と民衆」の対立の「相同性」/「復讐の
 権利」と「和解の模索」/「農奴解放令」後の混乱−学生運動の先鋭化
第3章 権力と強制の批判―『死の家の記録』と「非凡人の思想」
 オムスクの監獄と『死の家の記録』−作品の構造と特徴/「文明の象徴」としての
 監獄−強制と服従の観察/民衆芝居の創造性−自由の意義と民衆の英知/
 「近代化の制度」としての監獄と病院−監視と強制/強制への反抗と権力への
 意思−「非凡人の思想」の誕生/「父親殺し」の貴族−「権力継承」の問題/
 「自己と他者」の死の考察−「非凡人の思想」の批判
第4章 虚構としての「国民国家」史―『冬に記す夏の印象』と日本
 ドストエフスキーと福沢諭吉−文体の特徴/近代西欧文明の現実−イギリス,
 フランス/チャアダーエフの文明観と「余計者」の考察/バックルの「国民国家」
 史観の批判−比較文明論の誕生/チャアダーエフの文明観とゴロヴニーンの
 日本観/方法としての文学−「自己」と「他者」の認識/「支配と服従」の心理の
 分析−『地下室の手記』/雑誌『時代』の発行禁止と「大改革」の終焉
終 章 「欧化と国粋」のサイクルの克服―夏目漱石の文明観とドストエフスキー
 ロンドン−1900年/「欧化と国粋」の対立−近代化の苦悩(日本)/「富国強兵」
 と「道義立国」−福沢諭吉と中江兆民/『三四郎』の「周辺文明論」的な構造/
 「大地主義」の理念と比較文明学
 * 高橋誠一郎 公式ホームページ
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