史料・目録 
ゾロアルター教ズルヴァーン主義研究 ゾロアスター教
ズルヴァーン主義研究

ペルシア語文献
『ウラマー・イェ・イスラーム』
写本の蒐集と校訂


青木 健著


定価: 本体9000円+税
2012年8月刊
ISBN978-4-88708-406-3
A5 430頁

在庫あり
5世紀当時のペルシア帝国国教ゾロアスター教ズルヴァーン主義の教義を知る、唯一の内在的な文献資料『ウラマー・イェ・イスラーム』の初の校訂本。
新出写本のファクシミリ版を併載。
マニ教とズルヴァーン主義の密接な関係も解明
【内容紹介】
近世ペルシア語文献『ウラマー・イェ・イスラーム』は、5世紀にサーサーン王朝の大宰相ミフル・ナルセフが、アルメニア人キリスト教徒に対して発した中世ペルシア語のゾロアスター教強制改宗勅令の翻訳だと考えられている。これは、当時のペルシア帝国国教としてのゾロアスター教ズルヴァーン主義の教義を知る唯一の内在資料である。この文献は、1820年代から石版刷りで繰り返し出版されてきたにもかかわらず、21世紀の現在に至るまで批判的な校訂本は作成されていない。この批判的校訂の欠如は、サーサーン王朝時代のゾロアスター教に関する如何なる研究も、暫定的な結論しか下し得ない大きな要因となっていた。著者は『ウラマー・イェ・イスラーム』の既知の独立写本をムンバイで3点、ナヴサーリーで1点未知の独立写本をテヘランで2点ハイデラバード・デカンで1点蒐集して、『ウラマー・イェ・イスラーム』の写本系統図を作成した。本書は、5世紀の勅令で表明されたゾロアスター教ズルヴァーン主義の教義を出来る限り再現した『ウラマー・イェ・イスラーム』の初の校訂本である。
      
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【略目次】
第1部:ゾロアスター教ズルヴァーン主義研究 『ウラマー・イェ・イスラーム』の写本蒐集と校訂翻訳
  1.ゾロアスター教史におけるズルヴァーン主義の位置付け
  2.『ウラマー・イェ・イスラーム』の4つのバージョン
  3.『ウラマー・イェ・イスラーム』の写本・刊本・翻訳・研究
  4.『ウラマー・イェ・イスラーム』の新出写本と散逸写本
  5.『カーメ・ボフレ教示書からのウラマー・イェ・イスラーム』の校訂と翻訳と思想
  6.『ウラマー・イェ・イスラーム』(UI-1)の校訂と翻訳と思想
  7.『別版ウラマー・イェ・イスラーム』の校訂と翻訳と思想
  8. 新出写本におけるその他のフラグメント
  9. 5〜8世紀のアルメニア語・シリア語文献との比較
 10. 10世紀のパフラヴィー語文献との比較
 11. 7〜12世紀のアラビア語文献との比較
 12. まとめと今後の課題/参考文献表(第1部)
第2部:ゾロアスター教文献研究解説
  1. ゾロアスター教の文献学的思想・歴史研究
  2. イラン系言語と文字表記
  3. ゾロアスター教パフラヴィー語文献概説
  4. ゾロアスター教パフラヴィー語写本の書写伝統とコーデックス/参考文献表(2部)
第3部:『ウラマー・イェ・イスラーム』写本ファクシミリ版
【著者紹介】
青木 健 あおきたけし

1972年生まれ。
東京大学文学部卒業,同大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。
現在,慶應義塾大学言語文化研究所兼任所員。専門はゾロアスター教,イラン・イスラーム思想。主な著書に,『ゾロアスター教の興亡』(2007)『ゾロアスター教史』(2008)(いずれも刀水書房),『ゾロアスター教』(2008)『アーリア人』(2009)『マニ教』(2010)『古代オリエントの宗教』(2012)(いずれも講談社),編著に『東京大学東洋文化研究所所蔵 伊藤義教文庫目録(東京大学東洋文化研究所附属東洋学研究情報センター叢書3)』(2004),共著にCompanion to the Study of Zoroastrianism, eds. by Michael Stausberg and Yuhan Sohrab-Dinshaw Vevaina, London: Blackwell, 2012(近刊)などがある。
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