史料・目録 
釣魚臺群島(尖閣諸島)問題 香港・勵志出版社と共同出版
釣魚臺群島(尖閣諸島)問題

研究資料匯編

浦野起央・劉 甦朝・植榮邊吉著


定価:本体5700円+税
ISBN4-88708-288-6
A5並 499頁

品切
漢代の古記録にも現われる尖閣諸島問題の最新資料集。中国・琉球古文献,台湾・香港資料,日本文献・資料,中国主要文献・資料。いまもっともホットな問題の基礎文献として,日中合作による最新の資料集。付年表
【主要目次】
第1部 中国・琉球交流史料とその関係の古代文献
第2部 中国側の現代資料
 1 中国大陸側の資料/2 台湾側の資料/3 香港側の資料
第3部 日本側の資料
第4部 日本主要文献要旨
第5部 中国主要文献要旨
第6部 釣魚台群島(尖閣諸島)問題の年表
参考資料文献
所付図表索引
『釣魚臺群島(尖閣諸島)問題』序文より

 中国、琉球、日本は一つの文化圏ないし経済圏を長く形成してきた。沖縄の歴史的舞台は極めて広く、その対外列国と関係は世界史的存在といえるものがあった。(・・略・・) その交流のルートとなっていたのが、釣魚島であった。古代の中国・琉球交流圏では、その一帯の島嶼は中国冊封使に最初発見され、中国人の往来の地であった。その後、琉球を併合し沖縄として統治した日本が、この地を尖閣諸島の名で支配し、釣魚島では日本人が一時漁をしたり、生活したりした。そこでは、日本は日清戦争で台湾を併合しており、その日本支配は当然のこととされた。第2次世界大戦後、日本は台湾支配を放棄したが、この尖閣列島に対する日本の潜在的主権は琉球を統治した米軍によって確認された。
 1970年代以降、東シナ海における大陸棚石油資源の存在が確認され、あらためて大陸棚への関心が高まって領土紛争になった。1971年米国は尖閣諸島を含む沖縄を日本に返還した。こうした背景から、その領有をめぐり、中国(台湾と香港を含む)は、釣魚島は、元来、中国領土であると主張し、台湾の付属島嶼であったとした見解も打ち出され、この地帯は中国大陸棚の一部を形成するとの主張も持ち出された。日本は無主地に対する先占をもって、尖閣諸島の支配を正当化し、既成事実としてきているが、この確認をめぐっては、日中両国で多くの議論が展開されてきている。その議論を深めるためにも、そして日本、中国など関係国がこの問題での解決の糸口を見出すためにも、釣魚島をめぐる資料を提供し、読者の理解を深めてもらいたく、日本、中国の研究者が本書を編纂した。この編纂にあたっては、編者自身が集約して一つの見解を提起するというのではなく、実事求是の態度をもって客観的に各方面の文献と資料を蒐集し、読者がより全面的に問題の進行過程及び関係方面の立場と視点を理解して頂くという態度で臨んだ。本書を通じて中国・沖縄・日本の交流史への理解が深まり、いわゆる尖閣諸島問題の解決への共通した情報への一助となれば幸いである。(以下略)
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