世界史の鏡 都市4巻
イタリア都市の諸相 イタリア都市の諸相
都市は歴史を語る

野口昌夫


定価: 本体1600円+税
2008年1月刊
ISBN978-4-88708-502-2
四六判並製 163頁

在庫あり
「…建物に修復や改築跡をそのままに残している,一見古色蒼然としたイタリア都市に降り立った著者は,「どうもこの国は違う。〔記念建築物を美しく見せるより〕都市がどのように歴史の中にあって形成され,それが現在どのように使われているかという視点の方が重要らしい・・・」と直感した…(本文8頁)。生涯の研究対象が決まった瞬間である。著者は,1950年代後半に成立したばかりの研究「都市形成史」に飛び込んだ…。」 
建物が何百年もかけて,ゆっくり完成されていくイタリア。都市形成史の専門家が,何故イタリアを専門に選ぶことになったかを思い返しつつ,イタリアの魅力と不思議を語る。誰でも知っていると思っていたイタリアがさらに魅力的に見えてくる。
【主要目次】
第一章 イタリア都市の連続性と持続性
 1. ロンドンからフィレンツェへ
 2. 連続する空間の形成
 3. 視覚化された時間の形成
 4. 歴史に建築を組み込む職能
 5. 再生の理念と実践
第二章 舞台としてのイタリア都市
 1. 劇場空間と都市空間
 2. 表層の自立
 3. 建築と都市の床面
 4. 虚構と現実の階段
 5. ヴィラとランドスケープ
第三章 イタリアの都市と田園の生活
 1. 世帯境界と街路
 2. 都市住宅の現実
 3. 歴史的都市に住む
 4. 田園に潜める
 5. 別荘と田園生活
第四章 イタリア中世都市というテクスト
 1. 中世都市の起源と形成
 2. 中世都市の形態学
 3. 中世都市フィレンツェの形成
 4. 中世都市ピサの形成
 5. 中世都市シエナの形成
第五章 トスカーナ小都市という鏡
 1. 歴史的風景と丘上都市
 2. 中世都市へのルネサンスの介入
 3. メディチ家が落とす影
 4. 小都市の類型化
 5. 小都市と地域の形成
あとがき 
【著者紹介】
野口昌夫 のぐちまさお
1954年東京都生まれ。
1977年東京工業大学工学部建築学科卒業。
1978年ロンドンのAAスクール大学院建築理論・建築史研究科、文部省給費留学(〜79年)。1980年東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。1981年フィレンツェのランフランコ・ベンヴェヌーティ設計事務所勤務(〜85年)。1983年フィレンツェ大学都市・地域研究科、エドアルド・デッティ教授に師事、イタリア政府給費留学(〜85年)。1986年東京工業大学大学院理工学研究科博士課程修了。
現在、東京藝術大学美術学部建築科教授、工学博士。

主著
『南イタリア小都市紀行―地中海に輝くミクロポリス』1991年 丸善、『都市史図集』(共著)1999年 彰国社、『世界の建築・街並みガイド―イタリア/ギリシア』(共著)2003年 エクスナレッジほか。

訳書
『フィレンツェの美術』全2巻 アンドレス他著 (共訳)1991年 日本放送出版会、『建築ガイド―フィレンツェ』ジョヴァネッティ他著 (共訳)1995年 丸善、『ルネサンスの都市』モーリー著 1997年 三省堂、『イタリアのヴィラと庭園』ファン・デル・レー他著 1997年 鹿島出版会、『図説 世界文化地理大百科―ルネサンス』ブラック他著 (共訳) 1998年 朝倉書店ほか。

                                                         2008年10月現在
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