刀水歴史全書95 | |
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紀元千年の皇帝 オットー三世とその時代 三佐川亮宏著 定価: 本体3700円+税 2018年5月刊 ISBN978-4-88708-437-7 四六判 430頁 在庫あり |
夭逝後「世界の奇跡」と呼ばれたオットー三世はわずか6年の在位の内に,普遍的・超国家的な神聖ローマ帝国から,キリスト教帝国への再編・統合に向かった!!
オットー三世の歿後間もない11世紀初頭にイタリアで作成された歴代国王・皇帝目録は,若き皇帝を「世界の奇跡 mirabilia mundi」と呼んだ。解釈は多様であるが,並外れた教養と知性という天賦の才に恵まれ,既成の常識に縛られない改革への意欲に燃え,なお若くして逝った皇帝への畏敬の念の表明であろう。 ここには,軍事的勝利(オットー大帝〈一世〉)やキリスト教的美徳(ハインリヒ二世)といった通例の 栄誉とは質的に異なる三世の特質が刻印されている。12世紀半ば『年代記』を著したオットー・フォン・ フライジングも,この標語を採録している。 21世紀に生きる我々にとっての「オットー三世の遺産」とは何か。 それは,普遍的にして超国家的な観点(=「ローマ帝国」)から「ラテン=キリスト教世界」(=「キリスト教帝国」) の再編・統合の試みということに収斂するのではあるまいか。現在の「ヨーロッパ連合(EU)」が,19世紀に創出された国民国家の存在を前提にしつつ,敢えてその上位に位置する超国家的組織の構築を模索していることは言うまでもない。その実現には当然ながら紆余曲折が伴うし,解決すべき課題が山積していることは,日々のニュースが伝えている通りである。ただ,仮に,今日のEU統合をヨーロッパが志向する一つの方向性の歴史的到達点と位置付けるならば,その始点となる画期を,カール大帝による大フランク帝国の樹立,そしてそれを継承・発展させたオットー三世による「改新」の試みに求めることが許されるはずである。 |
【略 目 次】 |
プロローグ 980~983年 第一章 誘拐された幼王 984年 第二章 玉座の幼王 984~993年 第三章 皇帝戴冠 994~996年 第四章 インターメッツォ 996年~997年 第五章 「ローマ帝国の改新」998年 第六章 贖罪,そして死 999年 第七章 グネーゼンとアーヘン 1000年 第八章 「紀元千年」と終末論 第九章 「恩知らずのローマ人」 1001年 第十章 パテルノの死 1002年 エピローグ/あとがき 付録(地図・系図)/注/主要参考文献/地名索引/人名索引 |
【著者紹介】 |
三佐川亮宏 (みさがわあきひろ) 1961年北海道生まれ。1991年に北海道大学大学院文学研究科西洋史学専攻博士課程退学,北海道大学文学部西洋史学専攻の助手,1994年東海大学文学部歴史学科西洋史専攻講師,2009年に教授。2011年博士(文学,北海道大学)。1987~90年ボン大学留学。ドイツ中世史専攻。 〔著書〕『ドイツ史の始まり―中世ローマ帝国とドイツ人のエトノス生成』創文社,2013年,『ドイツ―その起源と前史』創文社,2016年〔翻訳〕山田欣吾共編訳『中世の「ドイツ」―カール大帝からルターまで』創文社,2005年,他。 上記 『ドイツ史の始まり』により,2018年度の日本学士院賞を受賞する |
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