刀水歴史全書92 |
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これが歴史だ! 21世紀の歴史学宣言 ジョー・グルディ& デイヴィッド・アーミテイジ著 平田雅博・細川道久訳 定価: 本体2500円+税 2017年9月刊 ISBN978-4-88708-429‐2 四六判 240頁 在庫あり |
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気候変動,不平等,資本主義の行く末といった大きな社会の課題を長期的にとらえることが,歴史家本来の仕事である!ミクロな歴史の台頭する今,この長期の視点に立つ歴史の重要性の再認識を主張。本書が1冊あれば,
歴史学研究の流れから,膨大な史料データに対応した最新のデジタル歴史学の成果まで,すべて納得! 社会にすぐに役立つことや短期的な成果が求められがちな今日,人文科学は危機的状況に追いやられている。 なかでも,歴史学は深刻である。世間の「歴史離れ」は著しいし,歴史学を専攻する学生も激減している。日本でも欧米でも同じである。では,どうすればいいのだろうか。ふさぎ込むのは,まだ早い! 本書を読んで元気を出そう! (訳者あとがきから) 最先端を走る二人の歴史家,ジョー・グルディとデイヴィッド・ アミーテイジは呼びかける。「万国 の歴史家諸君,団結せよ!」/今,権力に真実を伝えることができるのは歴史家なのだ。だからどのように伝えるかが重要になってくる。さまざまな将来計画の目標は,5か月や5年先よりも500年先の方が良いのはなぜなのか。この矛盾だらけの現在をもたらした原因をさかのぼって理解するのには,「歴史」特に「長期の歴史」が,不可欠となっている。それはなぜなのか。 本書は,長期的な視点に立つ歴史の重要性を再認識すべきだと主張する。では,ミクロな歴史は不要なのか。決してそうではない。本書が批判するのは,ミクロな歴史こそが唯一の歴史だとする原理主義的な見方や,一般読者との接点を持とうとしない専門主義的な指向であって,さまざまな史料データを読み解きながら多元的要因を突き止める手法は,高く評価されるのである。歴史家はこのような手法に長けているからこそ,マクロな歴史分析においても,多種多様な史料データを使って複合的な因果関係を説明できるのだ。 (・・・略・・・)かくして歴史家は,ビッグ・ヒストリーのような長大な歴史までも含むマクロな歴史を描くことができ,過去に照らし未来を考える導き手という本来の役割,いうなれば,社会における有益な居場所を取り戻すことができるのだ。 万国の歴史家諸君,団結せよ! 諸君には勝ち取るべき世界がある。遅すぎないうちに The History Manifesto |
【目 次】 |
【略 目 次】 序 章 人文科学のかがり火? 第1章 過去を振り返って未来を見つめる―長期持続の興隆 第2章 短期的過去―長期持続の後退 第3章 長期と短期―1970年代以後の気候変動,統治,不平等 第4章 大きな問題(ビッグ・クエスチョン),ビッグ・データ 結 論 社会の未来としての過去 訳者あとがき 原註・索引 |
【著者・訳者紹介】 |
デイヴィット・アーミテイジ:1965年イギリス生まれ,ケンブリッジ大学(博士), 現在ハーヴァード大学教授(前学部長) ジョー・ グルディ:1978年USA生まれ,カリフォルニア大学バークレー校(博士), ブラウン大学助教授を経て,2016年からダラスの南メソジスト大学助教授, ペーパー・マシーン(Zotero)共同開発者 平田雅博(ひらた まさひろ):青山学院大学教授 細川道久(ほそかわ みちひさ):鹿児島大学法文学部教授 |
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