刀水歴史全書79 | |
ゾロアスター教史 古代アーリア・中世ペルシア・現代インド 青木 健著 定価: 本体2800円+税 2008年10月刊 ISBN978-4-88708-374-5 四六判 294頁 |
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本邦初の書下ろし。謎の多い古代アーリア人の宗教,サーサーン朝国教としての全盛期, ムスリム支配後のインドでの復活,現代までを圧縮して一気に読ませる。世界の諸宗教への影響,ペルシア語文献の解読,ソグドから中国の最新研究成果が注目される |
【目次】 | ||
序 論 第1節 イメージの中のゾロアスター 第2節 資料上の問題 第3節 本書の構成 プロローグ 原始アーリア人の民族移動 第1節 中央アジアからイラン高原へ 第2節 聖呪と拝火と犠牲獣祭の民族 第1章 教祖ゾロアスターの啓示と原始教団の発展 第1節 歴史上の人物としての「白色家の老いた駱駝の持ち主」 第2節 ゾロアスターかく語りき 第3節 イラン高原西北部のマゴス神官団 第4節 原始教団の南下と西進 ― 妥協と習合の果てに 第5節 ハカーマニシュ王朝(アケメネス朝)ペルシア帝国での展開 第2章 第一次暗黒時代 ― ヘレニズム時代からアルシャク王朝時代まで 第1節 豊穣な暗黒時代 第2節 ギリシア人によるヘレニズム国家セレウコス王朝 第3節 パルティア人による地方分権国家アルシャク王朝 第4節 ギリシア哲学・ユダヤ教・キリスト教・グノーシス主義への影響 第5節 イラン高原東部の五王国 ― アーリア人の宗教とギリシア文化、 キリスト教、大乗仏教 第3章 サーサーン王朝ペルシア帝国での国家宗教としての発展 第1節 ペルシアの神官皇帝の登場 ― 神々の末裔の帝国 第2節 異端・異教の挑戦 ― ズルヴァーン主義・マーニー教・東方シリア教会 第3節 神聖帝国の統治体制とゾロアスター教神官団 第4節 サーサーン王朝時代のゾロアスター教思想 第5節 聖地の西遷とサーサーン王朝ペルシア帝国の滅亡 第6節 国家宗教の残照 ―パフラヴィー文学ルネッサンス 第7節 中央アジアのソグド的ゾロアスター教 ― ソグディアナから西域・華北へ 第4章 第2次暗黒時代 ― ムスリム支配下での改宗と脱出 第1節 本当の暗黒時代 ― アーリア人のイスラーム改宗 第2節 インド西海岸への脱出 ― ゾロアスター教徒の出ペルシア記 第5章 インドでの大財閥としての発展 第1節 近世ゾロアスター教の文化首都・ ナヴサーリー ― メヘルジー・ラーナー家の発展 第2節 ムガル帝国最大の貿易港スーラト ― セート家、ワーディアー家の興隆 第3節 「ゾロアスター教徒の都」ボンベイ ― ジージーボーイ家、ターター家の台頭 第4節 経済的成功と国際的分散 エピローグ 現代のゾロアスター教徒たちとゾロアスター教研究 日本ゾロアスター教研究小史(参考文献を兼ねる) |
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【書 評】 | ||
宗教研究 362号83巻第三輯 2009年12月 (書評と紹介) 本書は日本で数少ないゾロアスター教の専門家である著者が書き下ろした,ゾロアスター教の起源から現代までの通史である。・・・略・・・三千年以上に亙る歴史とイラン高原から中央アジア,インドまでの広大な地域について,教祖,教義,教団,経典,祭儀,歴史,他宗教との関係などすべての要素について最新の研究成果を摂取しつつバランスのとれた一般読者向けに平易な記述を行ったことは大いに賞賛に値する。おそらく現在の日本にこれをなしうるのは著者しかいないし,世界中でも果たして他に何人いるかというレヴェルだろう。 ・・・以下略・・・ 評者:松村一男 |
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