刀水歴史全書76 | |
図書館の誕生 古代オリエントからローマへ L.カッソン著/新海邦治訳 定価: 本体2300円+税 2007年4月刊 ISBN978-4-88708-356-1 四六判 222頁 在庫あり |
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単なる図書館史ではない! 粘土板はどう扱われたか?パピルスはどう作られ、どう書かれたのか。粘土板から冊子本への進化は図書館をどう変え、本をどれほど増やしたのか。それが人間の社会にどんな結果をもたらしたか? 古代世界の図書館について分かりやすく解説した啓蒙書。 同時に、最初の包括的研究書でもある! 紀元前3000年頃の古代西アジアの図書館の誕生から、図書館史の流れを根本的に変えた初期ビザンツ時代まで。碑文・遺跡の中の図書館の遺構・墓碑銘etc.など多様な資料は語る |
【主要目次】 | ||
地 図 ギリシア・ローマ世界 はじめに 第一章 西アジア―粘土板の保管 第二章 ギリシア―書物の収集 第三章 アレクサンドレイアの図書館 第四章 公開図書館の始まり 第五章 ローマ人の蔵書 第六章 皇帝たちの図書館 第七章 ローマ帝国の地方図書館 第八章 巻子本から綴じ本へ 第九章 中世へ |
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【書評】 | ||
1.『東京新聞』・『中日新聞』夕刊(2007.5.17)に書評が掲載されました。 今週の本棚 想像してみよう。楔(くさび)文字がぎっしり刻まれた粘土板が、作品ごとに棚にまとめられ並んでいる光景を。あるいはタグをつけて積まれたパピルスの巻子本を、傷めぬよう細心の注意を払い取り出す瞬間を。そんな初期の図書館で、本の分類整理、貸し出し本の損壊・盗難の問題に頭を悩ませながら情熱と労力を注いだ先人たちの営みを。古代西アジアで権力者の個人用に生まれ、やがて公的に万人に開かれている図書館の黎明(れいめい)期を、収集、閲覧方法や都市間の競争、図書館員らの仕事、図書館の遺構の形態などから多面的にたどる |
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2.『週間読書人』(2007.6.1号)に書評が掲載されました。 (以下に一部を引用紹介致します) 図書館の形態と機能を概観 古代から中世に至る長期にわたって (前略)人類の遺した文字資料の最古のものはオリエントで発掘される粘土板であるが、図書館の歴史もここから始まる。(略)本書の最大の魅力は、紙数の半分を費やして記述された共和国から帝国時代のローマをめぐる図書館の歴史にある。知識人のために公開された公的私的な図書館の始まりから、図書館建設のために投じられた個人資産、そこに集積された蔵書の内容と分類法、さらには図書館が公共浴場と一体化して市民に広く開放されていった経緯など、興味深い話題が尽きない。その記述もローマに限ることなく、帝国の版図にあった地方都市の状況にも及んでいる。言うまでもなく、本書が対象とする歴史的空間はいわゆる印刷術発明以前の手写本の時代である。(略)書物は一冊一冊手書きで写し取っていかねばならない想像を絶するような世界である。本書は、このような時代にあって図書館がいかに形成されどのような社会的機能を果たしていたのかについて、・・・・また、書物を供給する書籍商が存在したのかなど、図書館を成立させる条件にも目配りよく触れた好著である。 (評者:合庭 惇) |
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