刀水歴史全書75 | |
ベトナム戦争のアメリカ もう一つのアメリカ史 白井洋子著 定価: 本体2500円+税 2006年7月刊 ISBN 4-88708-352‐1 四六判 258頁 在庫あり |
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「インディアン虐殺」 の延長線上にベトナム戦争を位置づけた著者は,さらに,ベトナム戦没者記念碑 「黒い壁」 とそれを訪れる人々の姿の中に,民衆の平和への希求,この国の歴史の新しい可能性を見る。「植民地時代の先住民研究」 を長く続けてきた著者だからこその視点である |
【主要目次】 | ||
序 章 戦争の起源―「1945年」へのこだわり 第1章 30年戦争のはじまり―ベトナム民族の独立からジュネーブ協定まで 1 ベトミンの結成と独立のための戦い 2 フランスのインドシナ復帰とアメリカの立場 3 創られた聖戦 第2章 虚構の上の虚構―トンキン湾事件と戦争のアメリカ化 1 アイゼンハワーからケネディへ 2 トンキン湾事件 3 北爆の目的 第3章 アメリカ史のなかのベトナム戦争 1 インディアン戦争としてのベトナム戦争 2 グローバル化するフロンティア 3 フロンティアとマニフェスト・ディスティニー(明白な運命) 第4章 帰還兵たち 1 戦場からの帰還 2 帰還兵とPTSD(心的外傷後ストレス障害) 3 帰還兵と反戦運動 第5章 ベトナム戦没者記念碑とアメリカ社会 1 ベトナム戦没者記念碑の建設 2 「壁」の波紋 3 メモリアルと戦後世代 終 章 「ベトナム」の記憶 |
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「米国各地のベトナム記念碑」より | ||
本誌196頁 |
本誌197頁 |
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ワシントン州都オリンピアの碑(1987年)。 星条旗を飾った鏡のような壁面に州庁舎が映っている。右側の裂け目はベトナムの地図をかたどっている |
ノースカロライナ州ダーラムの「ドッグ・ソルジャーズ」碑(2005年)。ベトナムに4000頭以上送られた軍用犬のうち「戦死」と認定されたのは281頭,帰国できたのは200頭だけとある。「忘れられた英雄」の珍しい追悼碑 | |
【書 評】 | ||
◆ 『しんぶん赤旗』(9月3日)読書欄に『ベトナム戦争のアメリカ』の書評が掲載されました (以下に一部を引用紹介します。) |
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「正義」「神」「民主主義」の国の正体 (前略) それにしてもアメリカはベトナム戦争で散々懲りたはずなのになぜ、他国に民主主義を輸出≠オ続けようとするのか。本書はこの疑問に見事に答えてくれる。アメリカの植民地時代における先住民研究を長く続けてきた著者は、ベトナム戦争を「インディアン虐殺」の延長線上に位置づけ、異教徒や異人種に次々と「正義の戦争」を仕掛けてきた「米国版帝国主義」の実態を明らかにする。 (中略) 「正義の国」「神の国」「民主主義の国」アメリカの正体を知りたいという人にお勧めしたい。 (評者:矢部 武) |
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◆『朝日新聞』(9月10日)読書欄に『ベトナム戦争のアメリカ』の書評が掲載されました (以下に一部を引用紹介します。) |
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非白人種族攻略の構図はイラクまで 著者はアメリカ植民地時代を長く研究し、ピューリタン女性の自伝『インディアンに囚われた白人女性の物語』の翻訳でも知られる歴史学者。そんな彼女が現代アメリカ史に本格的に取り組み、その成果を第一著書として放ったのだから、はじめはいささか意外な印象を免れなかった。しかし、目次を見て当初の当惑は絶大な期待に変る。(中略) だが本書最大の醍醐味は、そうした「汚い戦争」がさらに、植民地時代より連綿と織り紡がれた構図にすぎないことを、豊富なデータで傍証している点にある。ベトナム戦争のはじまりを問うことでアメリカという国家のはじまりを浮き彫りにしてしまう本書の洞察は深く、その射程は多くのことを考えさせる。 (評者:巽 孝之) |
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白井洋子先生関連の刀水書房刊行図書 『パウ・ハナ』、『インディアンに囚われた白人女性の物語』 |
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