刀水歴史全書44
ナチスの陰の子ども時代 ナチスの陰の子ども時代
あるユダヤ系ドイツ詩人の回想

E.フリート著/柴嵜雅子訳


定価: 本体2800円+税
1998年7月刊
ISBN4-88708-203-7
四六判 215頁

在庫あり
ナチスの迫害を逃れ,17歳の少年が単身ウィーンからロンドンに亡命する前後の数奇な体験を中心にした回想録。著者は戦後のドイツで著名なユダヤ系詩人で,本書が本邦初訳
【主要目次】
 1 天才少年時代
 2 惜しげなく与えた贈り物
 3 1934年2月
 4 非合法文書
 5 リンツの大いなる日
 6 ヒトラー青年団員パパーネク
 7 ヴィリー・ビクの弁護
 8 騎士道精神
 9 僕の英雄時代
 10 僕のレジスタンスグループ
 11 鉛 管
 12 1人の貴族と2人ずつ2組の難民

 13 ふさわしくない家族
 14 僕への原稿依頼
 15 ヘ ル ト
 16 3人の図書館利用者
 17 ヒ ル デ
 18 僕の奨学金
 19 レッツヒェン
 20 オットカル・ケルンシュトック
 21 疑うことを学ぶ
 22 慰 め
 23 フ ィ ニ
 24 死ぬ前の最後の時期に
 25 僕の自伝的な話について
  

エーリヒ・フリート
天才少年時代のエ−リヒ・フリート
ウィーンに育ち,ナチスから逃れて17歳で単身イギリスに亡命したドイツの人気詩人の回想記・・・著者フリートは,ベトナム戦争・パレスチナ問題・学生運動など挑発的な詩を書いて,戦後ドイツで (西ドイツ) 最も読まれた詩人の一人です。残念ながら,日本で彼の作品を読めるのは,この本だけです。でも、この本で読めます! フリートの人と作品の特徴は,「敵と味方という区別を越えた人間としての連帯」・・・私は,これが“平和”の根源だと思っています。

  10年前、ミニコミでこの本の抄訳に出会い、どうしても本にしたくて社長を説き伏せて
  出版  しました。「いい本でも,うちは歴史の本屋だから無理だよ」社長の予測どおり
  売れませんでした。無理にナチズムの歴史書と位置付けてみたのですが、大虐殺を
  描くことなく、ナチスから逃れて成長した青年のナイーブな問いかけは、歴史の読者に
  殆ど気付いてもらえませんでした。…外国文学の棚でも、訳者以外の日本人が殆ど
  知らないドイツ詩人の自伝は、誰も買いません。
  あれから10年(1998年7月刊)、ついにこの本にふさわしい棚に出会えました。
  ジュンク堂書店新宿店の澤樹さんの始めた“平和の棚”です。
  澤樹さん、ありがとうございます。               2008年8月 刀水書房編集部
 今こそ「戦争」を考える 刀水書房HPフェア 開催中

   
刀水書房HP ”オーストリア”フェア 開催中

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