人間科学叢書43 
世紀末ウィーンのユダヤ人 世紀末ウィーンの
ユダヤ人
1867−1938

S.ベラー著/桑名映子訳


定価: 本体4700円+税
2008年2月刊
ISBN978- 4-88708-368‐4
A5判 390頁

在庫あり
フロイト,ツヴァイク,マーラー,シェーンベルク,ヴィトゲンシュタイン…19世紀末に花開いたウィーン文化を担ったとされるユダヤ人。本書はユダヤ人問題と「世紀末」ウィーン文化の歴史がどのように関り合っているかを,統計的手法を含めて読み解く

著者は、この邦訳のために新たに書き下ろした結論で以下のように述べている。

「以上のように、1900年前後のウィーンを取り巻く地理的および歴史的文脈を概観してみると、現代世界の直面するさまざまな危機や問題を先取りし、それらに鋭い批判的洞察を加えていたかにみえるこの文化を十分に理解するためには、そのユダヤ的性格を分析の中心にすえる必要があるという事実を疑う者はないであろう。世紀末ウィーンの特色である個人主義、生と芸術の倫理的側面を強調する傾向、そして例外的なまでの知的・文化的革新性は、その担い手の多くがユダヤ人であったという事情を
抜きにしては考えられない。こうして私たちは、多くの人にとって不愉快かもしれないが、にもかかわらず避けて通ることのできない結論に到達する。世紀末ウィーンを輝かしいモダニズム文化の中心地としたのはユダヤ人であり、この都市がかつてのような輝きを失ってしまったとすれば、それはユダヤ人社会の解体に起因しているという事実である。」
【主要目次】
はしがき
序論 世紀末ウィーンとユダヤ人問題
第T部 ウィーンのユダヤ人を解析する
 第1章 世紀転換期ウィーンのユダヤ人とは?
 第2章 分野別にみるユダヤ人の活躍
 第3章 社会的背景
 第4章 教育と職業
第U部 ウィーン文化とユダヤ的伝統
 第5章 ユダヤ精神は存在するか
 第6章 伝統からの距離
 第7章 教育―同化への唯一の道
 第8章 倫理主義と個人主義
 第9章 啓蒙の時代
 第10章 ドイツ文化とユダヤ人
 第11章 ウィーンの現実
 第12章 反ユダヤ主義
 第13章 アウトサイダーの倫理
結論「世紀末ウィーンのユダヤ人」という問題領域
・・・・・・・・・・・・・・・・
訳者あとがき―解題にかえて
原 注/参考文献/索 引
 刀水書房HP ”オーストリア”フェア 開催中
 HOME  会社案内 | 近刊案内 | 書名一覧・索引 | 注文について | リンク集
Copyright (c) 2005 Tosui Shobo, Publishers & Co., Ltd. All Rights Reserved