研究書・論文 
レコンキスタの実像 レコンキスタの実像
中世後期カスティーリャ・
グラナダ間における戦争と平和


黒田祐我著


定価: 本体8,000円+税
2016年2月刊
ISBN978-4-88708-428-5
A5 450頁

在庫あり
従来の「レコンキスタ」史観とも、近年の「共存と寛容のスペイン」とも異なる、「境域社会」の相互交流や紛争解決の様相を浮き彫りにし、実体を究めた画期的研究!
中世スペインは、異教徒同士の血なまぐさい戦争の舞台であったのか? あるいは宗教的寛容が花開く理想郷であったのか? しかし実像は、これまでの「レコンキスタ」史観とも、あるいは近年強調される「共存と寛容のスペイン」イメージとも異なる。フロンティア(「境域」)社会の相互交流や、紛争解決の様相を明快に浮き彫りにしていく本書から、キリスト教やイスラームという宗教・文化的な違いを超えた人間どうしの生き様が浮かび上がってくる。
【略目次】
  序論「レコンキスタ」の歴史と「境域」史
    ―中世スペイン史研究の回顧と中世後期「境域」研究への視座
   第1章 「レコンキスタ」の歴史解釈
   第2章 「レコンキスタ」理念の実態と「境域」研究
  第1部 中世後期におけるカスティーリャ王国・グラナダ王国間関係
    (1246〜1492)―「戦争と平和」という観点から
   第3章 戦争期間と和平期間
   第4章 対グラナダ戦争の特質
   第5章 王国間休戦協定
   第6章 王国間休戦協定の締結状況と時代的変遷
   第7章 王国間休戦協定と「境域」の接合点―「外交」使節
  第2部 「境域」における「戦争と平和」
    ―カスティーリャ=グラナダ「境域」社会の複合性
   第8章 地域史としての「境域」社会史の成立
   第9章 戦争を軸とする「境域」の相貌
   第10章 和平を希求する「境域」の相貌
  第3部 細分化される「境域」―最前線に居住する人々の振舞
   第11章 和戦を個別に展開する「境域」
   第12章 和戦を個別に担う「境域西方部域」―15世紀後半を中心として
   第13章 和戦を個別に担う「境域中央部域」―15世紀後半を中心として
   第14章 和戦を個別に担う「境域東方部域」―15世紀後半を中心として
   第15章 和戦を慣習化する「境域」
   第16章 生存を旨とする「境域」
   終章 「レコンキスタ」の完遂へ向けて―対異教徒認識の変遷と「中心」の決断
  結論
【著者紹介】
黒田祐我  くろだ ゆうが
1980年、富山県小矢部市生まれ。
博士(文学、早稲田大学)。専門は中世スペイン史・西地中海交流史。
サラマンカ大学(2005〜2006年)、セビーリャ大学(2007〜2010年)への留学の後、早稲田大学文学学術院助手(2010〜2012年)、日本学術振興会
特別研究員(PD)(2012〜2014年)を経て、2015年10月より、信州大学学術研究院人文科学系准教授
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