研究書・論文 | |
国家の周縁 特権・ネットワーク・共生の比較社会史 田村愛理・川名隆史・内田日出海編 定価: 本体4,500円+税 2015年3月刊 ISBN978-4-88708-421-6 A5 360頁 在庫あり |
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社会の本質は差異にある。西洋・中東・日本・・・世界の様々な「国」の周辺で差別を逆手に取り,村を越え国境を越え,したたかに生きてきた人びとの諸相 |
【略目次】 |
第一部 周縁と特権 第1章 近世国家ジェチポスポリタにおける周縁の諸相 : 川名隆史 第2章 一八世紀のフランス・アルザスにおける密輸資本主義 ―周縁と特権の力学: 内田日出海 第3章 近世東日本における弾左衛門体制 ―長吏身分の職分・特権について: 大熊哲雄 第4章 アンシアン・レジーム期におけるアルザス・ユダヤ人と王権 ―セール・ベールとストラスブールとの対立を中心に : 川ア亜紀子 第二部 ネットワークと周縁 第5章 大坂渡辺村皮商人の交易ネットワーク―九州を中心に : 阿南重幸 第6章 近代ヨーロッパにおけるサヴォワ人の移民ネットワーク―イメージと実態: 尾崎麻弥子 第7章 行商と古着商―近世江戸とアムステルダムの 都市内商業における周縁性の比較考察: 杉浦未樹・小林信也 第三部 共生の諸相―周縁を生きる 第8章 信州松本藩領大町組の被差別民の役割と生活 : 斎藤洋一 第9章 米国のムスリム―共生に向けての移民・少数派の政治参加: 泉 淳 第10章 果樹園から―「土着」と「ディアスポラ」 の間に生きるユダヤ教徒: 田村愛理 |
【書 評】 |
『史学雑誌』5月号「2015年の歴史学界―回顧と展望」 [総 説]p.4 「周縁」「辺境」をめぐる研究成果としては、(略)また世界史的には、田村愛理・川名隆史・内田日出海編『国家の周縁―特権・ネットワーク・共生の比較社会史』(刀水書房)が幅広くこの課題に迫っている。 [西アジア・北アフリカ(近現代)]pp.304〜305 北アフリカ(マグリブ)については、モロッコとチュニジアに関する論考がめだった。(略)田村愛理「果樹園からー「土着」と「ディアスポラ」の間に生きるユダヤ教徒」(田村愛理・川名隆史・内田日出海編『国家の周縁』刀水書房)は、チュニジアに住むユダヤ教徒個人の語りから、中東や西欧に住まうユダヤ教徒との比較を交えて「土着ユダヤ教徒」のアイデンティティ形成過程を分析する。ローカルなフィールドワークの積み重ねをグローバルな地域理解につなげる優れた実践の成果である。 [ヨーロッパ(近代―ロシア・東欧・北欧)]p.360 次に、上記Aの「国民の社会史」研究に目を移そう。川名隆史「近世国家ジェチポスポリタにおける周縁の諸相」(『国家の周縁』)は、近世ポーランド=リトアニア複合国家における周縁的存在としてのユダヤ人とタタール人に焦点を当て、社団国家的な把握のもとに近世国家が「周縁」を内包させることの政治的意味を論じる。 |
【編者紹介】 |
田村愛理 たむらあいり 現在: 東京国際大学商学部教授 川名隆史 かわなたかし 現在: 東京国際大学経済学部教授 内田日出海 うちだひでみ 現在: 成蹊大学経済学部教授 |
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