研究書・論文 | |
カナダの商工業者と イギリス帝国経済 1846〜1906 福士 純著 定価: 本体6,500円+税 2014年6月刊 ISBN978-4-88708-419-3 A5 350頁 在庫あり |
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◇イギリス帝国経済構造に占めるカナダ経済の位置づけを,当時の商工業者の視点により経済の変容過程を照射して,重層的に把握する画期的な試み◇
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2014年12月6日(土)に開催された2014年度駿台史学会(明治大学文学部史学地理学科)大会で、本書がイギリス帝国史やカナダ史の研究に新知見を加えるすぐれた学術書として高く評価され、福士純先生が2014年度「駿台史学会選奨」を受賞されました |
【略目次】 |
序 論 第1節 カナダの経済発展―「帝国のカナダ」と「北米のカナダ」 第2節 カナダ経済史研究とイギリス帝国 第3節 イギリス帝国史研究と植民地ナショナリズム 第4節 本書の構成 第一章 19世紀後半におけるカナダ製造業者と保護主義運動 第1節 1870年代以前のカナダ製造業者と保護主義運動 第2節 1870年代のカナダ製造業者と保護主義運動 第3節 オンタリオ製造業者協会による保守党の支援 第二章 19世紀後半におけるイギリス帝国経済統合論とカナダ 第1節 ドミニオン商業会議所とイギリス帝国経済統合 第2節 駐英カナダ代表の任命と帝国経済統合 第3節 第一回帝国商業会議所会議の開催と駐英カナダ代表 第三章 1886年「植民地・インド博覧会」とカナダ 第1節 植民地博の意義と目的 第2節 一次産品展示と英加経済関係の緊密化 第3節 工業製品展示とカナダ利害の追求 第四章 米加通商同盟論とカナダ経済 第1節 米加通商同盟論の高揚 第2節 通商同盟論に対する批判とカナダ・ナショナリズム 第3節 1891年総選挙と通商同盟運動の帰結 第五章 カナダ商業会議所と帝国特恵論 第1節 第二回帝国商業会議所会議とカナダ商業会議所 第2節 第三回帝国商業会議所会議とカナダ商業会議所 第六章 カナダ製造業者協会と帝国特恵論 第1節 1890年代におけるカナダ製造業者協会の通商政策志向 第2節 フィールディング関税法の成立とカナダ製造業者協会 第3節 カナダ製造業者と帝国市場への関心 第七章 イギリス関税改革運動とカナダ商業会議所 第1節 モントリオール商業会議所による帝国商業会議所会議の開催準備 第2節 第五回帝国商業会議所会議における特恵関税論争 第3節 カナダ視察旅行の開催 第八章 イギリス関税改革運動とカナダ製造業者 第1節 視察旅行の目的とロンドン商業会議所の旅行準備 第2節 カナダ製造業者協会視察旅行と関税改革論争 第3節 カナダ製造業者協会の主張に対するイギリス側の対応 結 論 |
【書 評】 |
『史学雑誌』5月号 「2014年の歴史学界―回顧と展望」 福士純『カナダの商工業者とイギリス帝国経済』(刀水書房)は,着実な実証をもとにした本国―植民地間の通商政策史で,以後の研究標準となる優れたモノグラフ。[ヨーロッパ(近代―フランス)] 最後にカナダ史関連の業績について見ると,いくつかの注目すべき著作が刊行されている。福士純『カナダの商工業者とイギリス帝国経済』(刀水書房)は,19世紀半ばから20世紀初頭の時期に,イギリス帝国の経済構造において,カナダが如何なる経済発展の方向を模索していたのかを,商工業者の視点から検討している。カナダの商工業者が,本国と自治植民地間の経済的紐帯を補完・強化するために,ブリテッシュ・アイデンティティに基づく感情的紐帯の言説を恣意的に用い,自ら率先してイギリス帝国の統合強化に尽力し帝国内部における経済大国としての発展を志向していた可能性を指摘する本書は,とかく対米関係から周縁化されて捉えられがちであったカナダの経済発展を,イギリス帝国の枠組みから再評価する好著である。[アメリカ(北アメリカ)] |
【著者紹介】 |
福士 純 ふくし じゅん 1976年生まれ。 2005年リーズ大学歴史学部修士課程修了,2010年明治大学大学院文学研究科博士後期課程修了(博士:史学),現在岡山大学大学院社会文化科学研究科准教授 |
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