研究書・論文 | |
近代ボヘミア農村と 市民社会 19世紀後半ハプスブルク帝国における 社会変容と国民化 桐生裕子著 定価: 本体8100円+税 2012年2月刊 ISBN978-4-88708-400-1 A5 340頁 在庫あり |
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出版物と結社を検討対象として、身分制廃止後のボヘミア農村における「市民社会形成」「国民化」への変容を明かにする。新しいナショナリズム研究の誕生 |
【略 目 次】 |
序 章 第T部 隷農制下の農村社会と隷農制の廃止 第一章 ボヘミアにおける隷農制とその廃止 第二章 農村住民の社会的位置づけとその啓蒙をめぐって 第U部 1850−60年代の農村における雑誌と結社の普及 第三章 19世紀中葉における農村住民と出版物 −『農事新聞』と農村住民の社会的・文化的実践の変容− 第四章 1850−60年代における農業協会と地域社会 −地域社会における公共圏の形成と国民化− 第V部 1870年代から世紀転換期にかけての農村社会と結社活動 第五章 農業運動の時代における農村住民と結社活動(1) −農業・読書サークルの普及と農村における公共圏の拡大− 第六章 農業運動の時代における農村住民と結社活動(2) −チェコ農業党の設立と「国民」をめぐる争い− 第七章 農業雇用関係に見る世紀転換期の農村社会 −「農業アンケート」と農業審議会チェコ・セクションの活動を中心に− 終 章 ◆本書の考察によって、近代におけるチェコ国民の興隆が、「民族再生」論が措定したような、歴史貫通的に存在する言語的・文化的に同質的なnarodが「暗黒の時代」を経て「再生」してゆくという、直線的な、自明の過程ではないことが明確になったといえよう。同時に、第V部で検討した農業運動や、農業結社に集った人人の農業雇用問題への取り組みは、当該期の農村社会の再編が新たな差異化と階統秩序の形成を伴ったことを示しており、国民化の過程が、「民族再生」論の論じるような「解放」の過程などではなかったことをも明示しているのである。(本文280頁より) |
【著者紹介】 |
桐生裕子 きりゅう ゆうこ 東京大学大学院修士課程、プラハ・カレル大学哲学部を経て、 2009年博士(学術・東京大学)。 現在、東京大学大学院総合文化研究科学術研究員・日本女子大学非常勤講師。 専門は中東欧近現代史 |
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