研究書・論文 | |
チベット諸族の歴史と 東アジア世界 川勝 守 定価: 本体15000円+税 2010年5月刊 ISBN978−4-88708-389-9 A5箱 528頁 在庫あり |
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中国を中心とした東アジア世界の中にチベット諸族の歴史的発展を跡づける ◎中国を中心とした周辺各国の歴史において,東アジア世界が果たした役割は 決定的である。 東アジア世界はいかなる歴史的空間か。一口に言えば,中国王朝国家と周辺国家の関係 する「場」である。周辺「国家」がいかに形成されたか,これを東アジアの歴史と関連させて 理解する。これが本書の目的である。 ◎近代以前の東アジア世界の外交秩序の理解には,中国を中心とした冊封・朝貢関係を 常に念頭に置く必要があることを忘れてはならない。 ◎本書で主たる考察の対象にしようとするチベット諸族とは,現在の首都ラサを本拠とする チベット自治区とその南方のインド・南アジア世界の諸族ではなく,中国本土西辺縁地域 におけるチベット諸族の歴史が課題なのである。チベット諸族が中国と関係したことは, 単にチベット諸族と中国との関係を考えても歴史的に考察したとは言えず, 必ずや東アジア世界における国際関係論の新たな視野が期待されるのである。 |
【目 次】 |
はじめに 第一章 甘粛・四川両省におけるチベット諸族と中国国家−東アジア冊封関係論の新要素− 第二章 西羌王国の興亡と漢帝国−東アジア世界における倭国の対極− 第三章 魏晋・五胡時代におけるテイ族国家と羌族国家 第四章 南北朝による東アジアの政治変動とテイ族・羌族諸国 第五章 隋唐世界帝国と党頂・吐蕃両王国 第六章 五代・宋帝国と党頂・西夏王国 第七章 元明時代の寧夏地方行政の展開 第八章 清、乾隆期四川大金川・小金川羌族の反乱と東アジア世界 結 語 あとがき |
【書 評】 |
チベット文化研究会報 第34巻第4号 (2010年10月) 著者は明・清時代の社会・経済を専門とする研究者であるが,今回は研究の対象を転換させて,チベット諸族の歴史に関する初めての専門書と言うべき本書を著した。本書でいう「チベット諸族」とは,いわゆるチベット人とは,起源は同じくするかも知れないがかなり異なる民族で,シナの書物に記載されてきた人々である。いわゆるチベット人より,シナ本土及びその近くに居住し,シナから影響を受けて,シナ型国家を作ってきた。(略)本書はシナ歴代王朝とチベット諸族の関係を,歴史的に叙述したものであるが,その研究の基本的姿勢は,チベット諸族の歴史の独自性を明らかにすることにある。(以下略) 評者:酒井信彦 |
【著者紹介】 |
川勝 守 かわかつ まもる 1964年東京大学文学部東洋史学科卒業, 72年東京大学大学院人文科学研究科博士課程退学 73年より九州大学文学部講師,助教授を経て 87年より教授(東洋史学) 98年より大正大学文学部教授,九州大学名誉教授。 文学博士(東京大学)/博士(仏教学・大正大学) 主要著作 『日本近世と東アジア世界』『聖徳太子と東アジア世界』『中国城郭都市社会史研究』『日本国家の形成と東アジア世界』『明清貢納制と巨大都市連鎖―長江と大運河―』他 2010年4月現在 |
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