研究書・論文 
ゾロアスター教の興亡 ゾロアスター教の興亡
サーサーン朝ペルシアからムガル帝国へ

青木 健


定価: 本体8500円+税
2007年1月刊
ISBN978-4-88708-357−8
A5箱 377頁

残部僅少本
 (箱に汚れあり)
足利惇氏・伊藤義教の両碩学以来60年振りの日本人研究者による本格的なゾロアスター教研究書。著者は、パフラヴィー語文献学、近世ペルシア語文献学、イラン現地調査など多様な方法論を試しつつ、ゾロアスター教を実証的に追究、特にサーサーン王朝時代までの概説は、今後のイスラーム研究の前提として欠かせない。
……
サーサーン王朝時代が教義宗教・組織宗教としてのゾロアスター教の完成期だったこと、ゾロアスター教の思想的生命は決してイスラームの到来と共に終わってはいないこと、逆に、イラン・イスラー神秘主義思想の中にゾロアスター教的な発想が伏流水となって残り、それに残存ゾロアスター教徒が反応して新たな思想的展開を遂げたことなどが、本書の主張である
【主要目次】
第1部 サーサーン王朝時代のゾロアスター教思想
  概説その1 ザラスシュトラ・スピターマの到来から10世紀まで
 第1章 サーサーン王朝時代ゾロアスター教における聖地の概念
 第2章 サーサーン王朝時代ゾロアスター教の神官聖火:その1
 第3章 サーサーン王朝時代ゾロアスター教の神官聖火:その2
 第4章 9世紀ペルシア州のゾロアスター教神官団の教義改変
 第1部に関する写真資料集成
第2部 ムガル帝国時代のゾロアスター教思想
  概説その2 イラン・イスラームにおけるゾロアスター教の遺産
 第5章 アーザル・カイヴァーンの軌跡
 第6章 新聖典『ダサーティール』の創出
 第7章 アーザル・カイヴァーン学派の聖典思想
 第8章 アーザル・カイヴァーン学派の哲学思想
 第9章 アーザル・カイヴァーン学派の神秘主義思想
 第10章 アーザル・カイヴァーン学派の救世主思想
 第2部に関する文献資料解題
【著者紹介】
青木 健 あおきたけし

1972年生まれ。
東京大学文学部卒業,同大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。
現在,慶應義塾大学言語文化研究所兼任所員。専門はゾロアスター教,イラン・イスラーム思想。主な著書に,『ゾロアスター教の興亡』(2007)『ゾロアスター教史』(2008)(いずれも刀水書房),『ゾロアスター教』(2008)『アーリア人』(2009)『マニ教』(2010)『古代オリエントの宗教』(2012)(いずれも講談社),編著に『東京大学東洋文化研究所所蔵 伊藤義教文庫目録(東京大学東洋文化研究所附属東洋学研究情報センター叢書3)』(2004),共著にCompanion to the Study of Zoroastrianism, eds. by Michael Stausberg and Yuhan Sohrab-Dinshaw Vevaina, London: Blackwell, 2012(近刊)などがある。
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